ステンレスを使って部品加工を行う場合、自社でするにも外注するにも、ステンレスについての知識は不可欠。ここではステンレス加工およびステンレスについて解説しています。
ステンレス加工には、主に5種類あります。切断・切削・曲げ・溶接・接合です。加工の目的によって、使用される加工の種類が異なります。共通しているのは、「ステンレス加工には高い技術力が求められる」という点です。
また、ステンレス自体もいくつかの種類に分けられます。ステンレスの種類はクロムの含有率や熱処理によって変動。大きく分けると、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系です。種類に関係なく主成分は鉄。クロムが10.5以上含まれている点も共通しています。
ステンレスは加工がむずかしい金属です。加工が難しい理由のひとつが「一定の力がかかると固くなる性質」。これは加工硬化と呼ばれる現象で、起きると元に戻せません。製品加工として失敗となり、コスト増につながります。加工硬化を考慮した上でステンレスを使うには、高い技術力が必要です。
ステンレス加工がむずかしい理由には、熱伝導率が悪く、加工時に工具へ大きな負担がかかる点もあげられます。加工時に発生する熱が逃げないため、切削工具に負担をかけることに。最悪の場合、破損につながります。
切削抵抗が大きくなると、加工熱が発生し、ステンレスに歪みが生じる点にも気をつけましょう。
また、切粉が加工物に溶着すると、切削を阻害します。
割れるリスクにも要注意。ステンレスの溶接時、熱を加えた後で急速にステンレスが冷えると、加工製品が割れます。急激に冷やさないよう、作業者にはステンレスに対する高い知識と技術力が必要です。
ステンレスは、主成分が鉄で、クロムが10.5%含まれる合金です。表面に酸化膜が形成されており、強い耐食性を持っているのが特徴。ただし、使用環境により孔食やすきま腐食、応力腐食割れといったリスクが生じます。
耐食性・強度・耐熱性の高さもステンレスの魅力。丈夫なのでメンテナンスがラクな素材です。サビにくいという特徴から、水周りに強いのも魅力。飲食店や一般家庭で、ステンレスの調理器具が多く採用されています。
ステンレスはリーズナブルな素材です。素材のコストが下げられるため、多くの業種で使われています。ただし、加工がむずかしい金属なので要注意です。
ステンレスにはいくつかの種類があります、大きく分けるとマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系の3種類です。マルテンサイト系は、クロムを13%含有しているタイプで、代表的なのはSUS410、STAVAX。焼入れと焼戻しを行っているため、強度と耐摩擦性に優れています。
フェライト系ステンレスはクロムを18%含んでいるのが特徴。代表的なのはSUS430です。マルテンサイトとオーステナイトの中間あたりの強度を持っています。
オーステナイトはクロムを18%、ニッケルを8%含んでおり、代表的なのはSUS304です。耐食性や溶接加工性に優れたステンレスで、低温や高温環境でも強度が低下しづらく、安定しています。
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