アルミニウムはさまざまな分野や業界で活用されている素材です。鉄や銅の3分の1の重量でという軽さや、鉄の約3倍の熱伝導性といったメリットに加えて、加工しやすいため多くの部品製作に使われます。一方、強度が低いというデメリットもあり、バランスを考えながら素材適正を見極めることが重要です。
A1050はアルミニウム合金の中でもアルミニウムの純度が99.50%以上となっている素材であり、一般的には「純アルミニウム」として考えられています。A1050はアルミニウムの特性を顕著に有しており、柔らかく、軽く、電気伝導性などに優れているといった点が特徴です。ここではA1050の特徴や他のアルミニウム合金との違いをまとめました。
A2017はアルミニウムに銅やマグネシウムを添加したアルミニウム合金であり、一般的には「ジュラルミン」の名称で知られているアルミニウム素材です。ジュラルミンは純アルミニウムと比較して強度が高められており、状況によっては鉄鋼材と同等の強度を誇ることも見逃せません。A2017の特徴についてまとめていますので参考にしてください。
A5052はアルミニウムにマグネシウムが添加されているアルミニウム合金の1種であり、アルミ合金として広く市場に流通している汎用アルミ合金素材です。マグネシウムの添加によって耐食性や強度などが向上されており、比較的低コストで入手しやすいことから様々な分野で活用されています。ここではA5052の特徴について解説しています。
A5056はA5052と同じく5000番台のアルミニウム合金であり、A5052よりもマグネシウムの含有量が多くなっている金属素材です。A5052よりも切削性に優れている反面、溶接性に関してはA5052に劣ります。またA5056は「汎用アルミ合金丸棒」としても呼ばれており、一般的に丸棒材として流通しているといった特徴があります。
A7075はアルミニウムにマグネシウムや亜鉛といった成分が添加されているアルミニウム合金であり、別名として「超々ジュラルミン」とも呼ばれています。A7075は強度や硬度を特に高められているアルミ合金であり、アルミ合金の中でも高強度とされるジュラルミンや超ジュラルミンと比較しても一層に優れた強度・硬度を誇っている素材です。
ステンレスは耐食性や耐熱性、加工性などに優れた金属素材です。さびにくいため水に接しやすい環境に使われることも多く、さまざまな形状に加工しやすい反面、割れるリスクや、強い力がかかると固くなって復元できないという特徴もあります。そのため専門的な加工スキルが必要です。
SUS303はオーステナイト系ステンレスの1種であり、りんや硫黄が添加されているステンレス素材です。オーステナイト系ステンレスの中でも切削性が向上させられている一方、りんや硫黄の影響によって溶接性が悪くなっているといったことも事実です。なお、SUS303に銅(Cu)を含有させたSUS303Cuも存在しています。
SUS304は日常的に見られるステンレス素材であり、分類としてはオーステナイト系ステンレスに属します。SUS304はSUS303と比較してりんや硫黄の含有量が少なくなっており、SUS303よりも切削性に劣るものの溶接性は高まっています。また、SUS304は耐食性も高められており、水にさらされているような環境でも広く使われることが特徴です。
SUS316はオーステナイト系ステンレスの中でもモリブデンを含有することで耐食性を一層に向上させられている金属です。クロムだけでなくモリブデンも金属の表面に不動態皮膜を形成し、周辺環境による影響を受けにくくすることで耐食性が高められます。なお、SUS316の炭素含有量を減らしてさらに耐食性を高めたSUS316Lもあります。
SUS420J2はマルテンサイト系ステンレスの1種であり、含有している炭素量の多いことが特徴です。炭素を多く含むことで他のステンレスよりも錆びやすいといったデメリットがある一方、焼き入れや焼き戻しといった熱処理を行うことで焼入硬化が起こるため、素材としての強度や硬度を高められるという特性もあります。
SUS430はフェライト系ステンレスとして代表的なステンレス鋼であり、クロムを含みながらニッケルは含んでいないため、低コストで加工しやすく、さらに強い磁性を持つといった複数の特徴を有しています。一方、SUS430には高温下で強度が低下する475度脆化という特性もあり、正確な取り扱いには知識や技術が必要です。
マルテンサイト系のステンレスの1つであるSUS440Cは、焼き入れ後の硬度がJIS規格に規定されているステンレス鋼の中で最も高いことが特徴です。そのため、焼き入れ後のSUS440Cは最も切削加工が困難という点も無視できません。SUS440Cは金型や刃物、シャフトなど耐久性や耐摩耗性が求められる製品の素材として有用です。
板金加工において一般的な素材である鉄(スチール)は、建築資材や機械部品、工具などさまざまな製品や部品へ加工されています。また、純鉄は酸化しやすく、純度99.9999%の状態で使用されることも特徴です。切断加工・曲げ加工・溶接加工・切削加工など多くの加工に対応しています。
S45Cは機械構造用炭素鋼鋼材の1種であり、炭素を含有している鋼材として強度や硬度を高められている素材です。S45Cの「45」は含有している炭素の比率を示しており、S45Cには「0.45%」の炭素が含有されているとJIS規格でも定められています。ボルトやナット、シャフトなど機械部品に使われるS45Cの特徴をまとめました。
SS400は一般構造用圧延鋼板(SS材)の1種であり、一般的な鋼材として普及している金属素材です。SS400の「400」は引っ張り強度「400N/mm2」を示しており、他の一般構造用圧延鋼板と区別されていることもポイントです。様々な用途で使われる鋼材であり、他の金属素材と比較して安価で入手しやすいといったメリットがあります。
SCM435とは「クロムモリブデン鋼」の1種として知られる金属素材です。SCM435のSCMはそれぞれ「鉄(S)」・「クロム(Cr)」・「モリブデン(Mo)」の頭文字を取っており、焼き入れ加工によって硬度を高めやすいことが特徴です。また、クロムによる影響で通常の鉄材よりも耐食性に優れているといったメリットもあります。
SCM440はSCM435と同様にクロムモリブデン鋼の1種であり、SCM435よりも含有している炭素量が多いことが特徴です。SCM440の炭素含有量は0.38~0.43%となっており、SCM435の炭素含有量0.33~0.38%よりも高いことから、SCM440の方が硬度を高めやすくなっています。そのためSCM435よりも耐久性を追求したい場合に採用されます。
超硬合金は1923年にドイツで開発された合金であり、非常に硬い性質を持っていることが特徴です。そのため、超硬合金は摩耗や傷といったダメージを受けにくく、金属加工の工具や加工機械の部品などの材料として利用されます。一方、超硬合金そのものの加工性は高くなく、超硬合金の加工にはダイヤモンド砥石など専用技術が必要です。
FC(ねずみ鋳鉄)は普通鋳鉄の1つとして知られる鋼材であり、片状黒鉛鋳鉄と呼ばれることもあります。鋳鉄として広く活用されている素材で、水道管や内燃機関、産業用機械の製造といった用途を主として色々な業界や分野に使われていることも特徴です。耐摩耗性や鋳造性、切削加工性に優れている反面、割れやすいといった性質もあります。
FCD(ダクタイル鋳鉄)は高級鋳鉄として知られる素材の1つであり、「球状黒鉛鋳鉄」と呼ばれることもある鋼材です。強度や耐熱性、耐摩耗性などに優れ、FC(ねずみ鋳鉄)よりも引っ張り強さが高められている素材であり、FCでは十分な引っ張り強さを得られないような場合にFCDが利用されることも少なくありません。
SKD11はJIS規格によって定義されている合金工具鋼であり、炭素工具鋼にクロムやモリブデン、バナジウムなど複数の元素が添加されている点が特徴です。冷間金型用の鋼材として知られており、鉄鋼メーカーによって異なる商品名で販売されていることもポイントです。熱処理前は切削加工性に優れており、加工を行いやすいこともメリットです。
プリハードン鋼は熱間金型用の鋼材として知られる素材であり、事前の熱処理によって硬度や切削加工性、耐摩耗性などが高められています。一方、プリハードン鋼はJIS規格によって定義されている素材でなく、メーカーごとに様々なプリハードン鋼が販売されており、活用時には適切な素材の選定が必要になることも重要です。
導電性や熱伝導性、耐食性に優れた銅は、低コストでメリットを多く備えている素材です。銅加工では純銅と銅合金に大別され、純度や合金に使われる添加金属によって素材の性質が変わることも特徴です。そのため、銅の加工では目的を定めたうえで素材を厳選するところから始めます。
プラスチックや樹脂には数多くの種類があり、それぞれで特性や特徴が異なります。そのため、どのようなプラスチックを使用するかは、どんな目的や環境で使用する部品かを考えなければなりません。加工も切削加工や成形加工、3Dプリント出力など、さまざまなものに対応します。
インコネルとは、スペシャルメタルズ社が商標登録している超耐熱合金です。ニッケルを主体として、鉄やクロム、炭素といった成分が添加されています。耐熱性や耐食性に優れている反面、外部からの影響を受けにくいため加工性が悪く、切削加工が困難な部品素材となっています。
コバールは鉄・ニッケル・コバルトの合金です。常温付近における熱膨張率が低く、硬質ガラスのような特性を有しています。その特性から精密機器や電子部品などに重用されますが、熱伝導性が悪いため加工が難しく、切削加工に用いた工具が破損しやすいといった特徴もあります。
比重1.8のマグネシウムは、実用金属のなかはで最も軽量で、チタンと同程度の比強度を有する高強度の金属素材です。反面、腐食しやすいといったデメリットがあります。また、発火性が高く、マグネシウム加工では発火・爆発の危険を伴うため、専門業者への依頼が必要です。
レアメタルの一種であるチタンは、軽量で強度も高く、耐食性に優れた素材です。そのため、工業用部品のみならず、メガネやインプラントなど幅広い分野で使用されており、非常に身近な素材でもあります。以下のページでは、チタンの特徴やメリット・デメリット、加工方法などを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ゴムには、天然のゴムの木から採取した樹液で作られる天然ゴムを始めとして、ニトリルゴムやフッ素ゴム、シリコーンゴムなど様々な種類が存在します。ゴムの種類によって特性やメリット・デメリットが異なっており、部品の利用目的に合わせて加工法も検討しなければなりません。ここではゴムの加工について詳しく解説しています。
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