このページでは、マグネシウムの特性や加工性、活用用途などを紹介しています。自社で加工を行う場合はもちろん、外注に依頼しようと検討している場合も、素材の特徴をしっかりと把握しておきましょう。
マグネシウムが発見されたのは1808年で、その約90年後に工業化がスタートしました。チタンやアルミニウムと同様、比較的歴史の浅い金属です。
また、マグネシウムは数ある実用金属の中で最も軽量な素材といわれており、地球上で6番目に豊富な金属とされています。軽いうえに入手もしやすいので、利用可能性が非常に高いのが特徴です。
さらに、軽量でありながらも比強度・比剛性は鉄や合金よりも優れており、使用感や作業事故の防止、エネルギーの削減などに役立っています。
加工硬化率が高いマグネシウムは、優れた耐くぼみ性を持ちます。これは、金属に力が加わると塑性変形により硬度が増す現象を指しており、物体がマグネシウムにぶつかったとしても、凹みが小さく済むのです。
マグネシウムと同様に加工硬化率が高いとされるアルミ合金と比べても、マグネシウムの方が耐くぼみ性が優れています。
材料は振動を受けた際、揺れによるパワーを吸収したり外部へ放出する性質を指す「振動吸収性」。マグネシウムは実用金属の中でも高い振動吸収性を有しているのが特徴で、素材の純度が高いほど振動吸収性も高くなります。
マグネシウムがCDやハードディスクに使用されているのは、この性質を利用して振動を和らげるのが目的でしょう。
電波や磁場から発生する電磁波は、長時間浴び続けると体調不良やマシントラブルの原因に。これらを防止するために、マグネシウムを素材とした「電磁波シールド」という材料が使われます。
マグネシウムの電磁シールド性は非常に安定しており、30~200MHzの範囲で90~110dBのシールド効果を発揮。スマートフォンやパソコン、PDPから発せられる電磁波の遮断にも適しています。
ダイカスト製品にも使用される素材であり、不良品や切削屑なども発生します。そうなると、もちろんスクラップをリサイクルする必要があるでしょう。その点、マグネシウムはリサイクルをする際のエネルギーが小さく、優れたリサイクル性を有しています。実際に、マグネシウムをリサイクルする際にかかるエネルギーは、製造時の4%ほどです。
軽量・高強度・電磁波シールド性・振動吸収性など、優れた特性を備えているマグネシウムは、実用化がスタートして以来工業利用に必要不可欠な金属として活躍しています。製品で利用されるマグネシウムは、亜鉛やアルミニウムなどを配合した「マグネシウム合金」として使用されるのが一般的です。
具体的な活用用途は、自動車のエンジンブロックやステアリングホイールなどでしょう。また、民生品や精密機器など、さまざまな分野で広く用いられています。
切削時の抵抗が少ないマグネシウムは、比較的切削加工しやすい金属に分類されます。具体的な抵抗の小ささは、アルミニウムの2分の1程度、鉄の6分の1程度です。
その反面、マグネシウムには発火しやすいというデメリットがあります。切削加工の際に出る粉体の酸化を原因とした発火事故が発生する可能性があるため、重大事後を引き起こさないよう作業を行う時は十分注意しなければなりません。
接合する物質にもよりますが、基本的にマグネシウムは溶接性の高い金属で、レーザー溶接やスポット溶接で使用されます。ただし、マグネシウムには酸化被膜を生成しやすいという性質があり、溶接加工の妨げとなる可能性があるでしょう。なお、酸化被膜の融点は2,500℃です。
溶接性に関しては、アルミニウムと似た性質があるものの、アルミニウムよりも熱伝導率が悪く、溶接時に歪みやひび割れを起こしやすいでしょう。
マグネシウムは最密六方格子の結晶構造を持っているので、常温での曲げ加工には向いていない金属です。そのため、曲げ加工を行う場合は、マグネシウムを温める必要があります。
加工材料として非常に優れた性質を持つマグネシウムは、切削性が高いため加工時間を短縮できるというメリットがあります。しかし、切削性が高い反面、難削材といわれている金属でもあるでしょう。
なぜなら、マグネシウムは燃焼性を持っているからです。塊の状態であれば発火の心配はほぼありませんが、注意すべきは切削時に出る切りくずや切り粉。粒が細かくなると表面積が増えるため、その分酸化しやすくなってしまいます。そのため、マグネシウムを加工する際は、細心の注意を払う必要があります。
自社で部品加工ができない場合、外注に加工依頼を行うケースが一般的です。その際に手厚いサポートを受けられるのが、部品調達におけるほとんどの業務を担当する「加工部品調達会社」。材料調達から加工、焼き入れ、研磨、表面処理といった部品調達に欠かせない工程のすべてを請け負ってくれます。
加工に高い技術を有する金属や、対応可能な部品加工会社が見つからない場合でも、加工部品調達会社に依頼すれば適切な会社を紹介してもらえるでしょう。特に、難削材であるマグネシウムは、十分な安全管理を行ったうえで加工作業をする必要があるため、スペシャリストに依頼するのが大切です。
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