鉄・スチールの部品加工

鉄・スチールの部品加工を行う場合、自社で加工するにも外部に委託するにも、鉄・スチールそのものについての知識が不可欠です。ここでは鉄・スチール加工と、素材としての鉄・スチールについて解説しています。

鉄・スチール加工の種類

溶接加工

熱と圧力により接合する加工です。溶接加工はさらにいくつかの種類に分けられます。電磁棒を使って電圧を母材にかけ、電流で生じるアーク熱を使って金属を溶かすのが「アーク溶接」。プロパンガスやアセチレンガスと酸素を使い、燃焼して生じるガス炎による接合するのが「ガス溶接」です。

レーザーを使った「レーザー溶接」や、電子ビームによる「電子ビーム溶接」といった溶接加工もあります。

また、機械による圧力で接合をする方法も一般的な溶接加工です。「はんだ付け」や「ろう接」などの方法があります。

溶接加工の
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板金・プレス加工

板金加工・プレス加工は、加工物を曲げたり切断したりする加工です。板金加工では金型が必要になります。一度金型を作れば、少量多品種生産できるのがメリットです。プレス加工も専用の金型を使って、大量生産することもできます。

マシニング加工

マシニングセンタを使った切削加工です。フライス加工・穴あけ加工・中ぐり加工・ネジ加工など、ニーズに合わせた形状に加工できます。プログラムで加工機器をコントロールできるため、精度の高さが求められる大量生産品に向いた加工です。

マシニング加工の
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旋盤加工

旋盤機器を使い、回転する加工物に、工具を当てて切削する加工です。角を滑らかにしたり穴をあけたりできます。ネジ加工も可能です。

作業者が手動で作業をするのは汎用旋盤。試作品や特注品で用いられる機器です。NC旋盤は、コンピューター制御で行なう旋盤加工で、精度の高さが特徴。大量生産に向いています。

旋盤加工の
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鉄・スチール加工とは?

鉄の板金や部材を加工することです。通常、純度100%の鉄は、酸化しやすいために用いられません。鉄の純度を99.9999%に落とすと、酸化しにくくなり、伸びや引っ張りにも強くなります。加工しやすい鉄になるかどうかのカギはわずかな純度の差です。

鋼にはJISで定められた2種類があります。伸びや引っ張りの強度を基準とした汎用性の高い「SS材」と、炭素含有量が基準となる「SC材」です。SS材は建築、自動車関連など幅広く用いられている部材。SC材は強度や硬度が高く、熱処理加工に向いた部材です。

鉄・スチール加工の注意点

鉄は熱を加えて冷やすと硬くなります。硬くなると次の工程に影響を与えてしまうため、避けたいところ。また、サビやすさも鉄の弱点です。サビ対策では、加工後のコーティングが必要となります。鉄・スチールの加工には高い技術力と経験が必要です。他の加工材と比べて手間もかかります。

鉄・スチール加工の主な素材

炭素が0.02~2.14%含まれるタイプがよく流通している鋼(スチール)です。学術上、炭素が2.14~6.67%、ケイ素が1~3%含まれていると「鋳鉄」と定義づけられます。一般的には、鉄素材の鋳物製品全般の呼称が「鋳鉄」です。純度100%の鉄はほとんどありません。

鋳鉄は鋳造に適した鉄・スチールです。切削、耐摩耗性、耐熱性や振動吸収性に優れ幅広い用途で使用されています。

鋼(スチール)

鋼(スチール)は大きく分けて、炭素・ケイ素・マンガン・リン・硫黄を含む普通鉄と、クロム・ニッケル・モリブデンなどの非鉄金属を含んだ特殊鋼の2種類。普通鋼は鉄鋼生産量の約80%を占めます。ケイ素やマンガンなど、鉄以外の成分の含有量によって強度が増すのが特徴です。普通鋼のなかで汎用性が高く、多く用いられているのがSS材。安価で、建築物や橋梁や船舶や車両まで幅広く採用されています。

特殊鋼は、非鉄金属を含ませることで普通金属よりも耐食性・耐熱性が高いのが特徴です。JIS鋼材規格の、SC材、SCr材、SCM材といった合金鋼があります。他に、金属や非金属材料の切削工具で使われる工具鋼、特別な用途で用いられる特殊用途鋼が特殊鋼です。一般的なステンレスも、ステンレス鋼として特殊用途鋼に分けられます。

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