このページでは、純アルミとして知られるアルミニウム素材「A1050」について解説しています。A1050の特徴や加工のポイントなどをしっかりと把握した上で部品加工の方法や加工部品調達会社の比較検討をするための参考にしてください。
アルミニウムには素材として複数の合金が存在しますが、中でも「A1050」はアルミニウム純度が99.50%以上の純アルミとして知られています。純アルミであるA1050は、アルミニウム元素としての特性や特徴が顕著に表れており、絞り加工性や曲げ加工性、導電性など様々な点で優れた性質を有しています。
一方、他の金属元素を添加されて強度を高められているアルミニウム合金と比較して、A1050は強度面で劣っており、また大気中の酸素と反応して酸化変色するため、デザイン性を維持するためにはアルマイト処理のような表面加工が必要です。
A1050の化学成分はJISにおいて下記のとおりに規定されています。
参照元:JIS H 4000:アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
A1050はアルミニウム合金の中で、まさしくアルミニウムの金属素材としての特徴が最も反映されており、その強度は他のアルミニウム合金と比較して決して高くありません。そのため、A1050を加工する際は変形や歪みなどに注意しなければならず、切削加工などにおいては切粉のような処理が必要です。
アルミニウム合金の特徴として、強度を高めるための金属元素の添加を行えば行うほど強度が高まり、それに反比例して耐食性が下がっていくというものがあります。
その点、A1050は耐食性の低下の要因となる鉄や銅といった成分がほとんど含まれていないため耐食性は優れています。
A1050の用途としては日用品や電気機器、装飾品、エアコンの熱交換器、反射剤など様々なものが挙げられています。また、軽量で低コストであり、銅に及ばないものの電気の伝導率も高いため、電線に使われている銅の代替材料としての活用が進められていることもポイントです。
反面、強度や硬度を求められる用途には適していません。
A1050はとても柔らかく軟質素材であり、削ったり切ったりする加工においても利便性が高いと考えられがちです。しかし実際は加工性こそ高いものの、素材として柔らかすぎるため切削加工では逆に削りにくかったり変形しやすかったりといった問題もあります。
なお、A1050は銅を含有しないため溶接性が良好なものの、表面に生じる酸化皮膜の除去など適切な処理や溶接法の選別が必要です。
A1050は加工性が高く、耐食性にも優れている純アルミですが、一方で柔らかすぎて条件によっては加工が難しくなってしまうケースがあります。そのため、目的の製品や部品をA1050で調達しようとする場合、十分な技術やノウハウを有する加工業者を選定することが不可欠です。
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