このページでは、ゴムを素材とした部品加工についてまとめて解説しています。ゴムの部品加工の方法や特徴、材料として使われるゴムの種類などを詳しく説明していますので、部品加工業者や加工部品調達会社と相談する際の参考にしてください。
ゴム加工とは、ゴムを素材として利用し、加工部品や製品などを製造することを指します。素材として活用できるゴムには様々な種類があり、それぞれのゴムによって耐熱性や耐候性、耐久性といった性質が異なることも特徴のひとつ。そのため、利用できるゴムの性質や必要としている部品の特性、加工ニーズなどをきちんと明確化した上で、適切なゴム素材や加工法を選択することが肝要です。
また、ゴムは柔軟性や弾力性に優れており、形を変えても元に戻るといった性質がある反面、劣化の度合いがなかなか判断しづらく、劣化時期を予測することも困難というデメリットがあります。そのため、ゴムの部品加工では劣化防止についても合わせて考えることがポイントでしょう。
金型成形は、あらかじめ金属を素材として、特定の形状や部品の形状に合わせた金型を作成しておき、そこへ原料となるゴムを流し込んで固めることで目的の形状に加工するという方法です。
金型成形はゴム加工の中で最も一般的な製法の1つであり、さらにプレス成形や射出成形、押出成形など複数の成形法に分類されることも特徴です。
同じ品質の部品を大量生産するために有効な加工法ですが、金型の製作などに初期コストや作業工程が発生するといったデメリットもあります。そのため、試作品の加工や少量生産には適していないといえるでしょう。
切削加工とは文字通り、ゴム素材を切ったり削ったりして形を整える加工法です。サイズや形状の複雑さによって加工の難易度が変わるといったデメリットがあるものの、少量生産や試作製作については金型成形よりも切削加工の方が適していると考えられます。
切削加工は回転工具を使ってゴムを削りながら進められることが一般的であり、金型を製作するための費用のようなイニシャルコストが発生しない点は重要です。
ゴムの種類や材質は異なっても加工することが可能ですが、一般的にはゴムの硬度が下がるほどに変形しやすくなるため、切削加工の難易度が上がってしまうことに注意してください。
注型成形とは、あらかじめ用意している型へゴムを流し込んで目的の形状に整える加工法です。型を利用するという点では金型成形と同じですが、注型成形ではすでに存在している部品を使ってシリコーンゴムなどで型を取り、それを使って部品加工や製造を行うことがポイントです。
そのため、注型成形を行うためにはクライアントが最初に原型を用意しなければなりません。
注型成形では同じ形状の部品を複製することに適しており、金型成形よりも型の製作時間やコストが少なくて済むため、コスト面でメリットがあります。ただし、シリコーンゴムには耐久限界があり、成形を繰り返し行うと型の精度が下がってしまうといった問題もあります。
抜き加工とは、刃が付いている型を利用して、ゴム素材を任意の形状やサイズに打ち抜く加工方法です。打ち抜きには型をセットしたプレス機やハンドプレス機を使うことが通常であり、例えばクッキーの型を抜くように素材を目的の形へくりぬいていくといった流れになります。
抜き加工には大規模な施設や加工機が不要であり、同じ形状の部品を少量の試作から大量生産まで幅広く加工できることがメリットです。
反面、平面的な形状しか加工できなかったり、型がなければ加工できなかったりといったデメリットもあります。
ゴムは様々な業界や分野に使われる汎用性の高い素材ですが、ゴム加工では色々な不具合や不良品が発生するリスクもあるため、注意しなければなりません。
例えば、ゴムの切削加工では寸法の誤差やバリ、ワレなどが生じやすくなります。また、溶かしたゴムを流し込んで成形する場合、気泡が混じったり異物が混入したりといったリスクもあるでしょう。
柔らかくて弾力のあるゴムだからこそ、加工機のカッターなどが圧力をかけた際に素材そのものが変形して、設計通りに適正な寸法による切り出しを行えないといったケースもあります。
ゴムの品質不良や不具合品の発生は、ゴムの形状や素材、加工法によっても変わってくるため、適切な知識や技術を持っている業者を選定することが大切です。
天然ゴムはその名の通り、天然のゴムの木から採取した樹液を使って作られるゴムです。反発弾性や機械的強度、引裂強度などに関して優れた性質を持っている反面、耐熱性や耐油性といった面で劣っていることが特徴となります。
天然ゴムは衣類や雑貨、トラックのタイヤや工業製品など、日常的に見られる様々な製品に利用されています。
ニトリルゴムはアクリルニトリルとブタジエンの共重合体によって製造されるゴムであり、ゴム加工において最も利用されやすいゴムの1つです。アクリルニトリルとブタジエンとの配合比率を変えることで、複数の種類に分けられることも特徴です。
配合比率に応じて耐油性や耐熱性、耐候性といった特徴が変化し、耐摩耗性にも優れていることから工業用品や雑貨などに利用されます。
幅広い特性を持った汎用性の高いゴムであり、難燃性や耐候性、機械的強度の強さなどから工業用品や屋外でのインフラ部品などに利用されます。また、ガス透過率に優れていることもポイントです。自己消火性も有しており、耐オゾン性にも優れている反面、低温下では結晶化しやすく亀裂・破断のリスクが上昇します。
成分の中にフッ素含有モノマーを保っているゴムがフッ素ゴムです。フッ素ゴムには複数の種類がありますが、特にFKMがフッ素ゴムとしてポピュラーな製品とされています。
フッ素ゴムの特徴は、他のゴムと比較して耐油性や耐熱性が明らかに高いという点です。耐オゾン性や耐薬品性、耐熱性などにも優れており、過酷な環境でも利用されやすいゴムです。
シリコーンゴムは、ケイ素(シリコン)を原料とするシリコーン樹脂から作られたゴムです。シリコーンゴムの特徴として耐熱性や耐寒性に優れている点が挙げられます。
耐オゾン性や耐候性にも優れており、屋外のような環境でも使いやすいことが魅力です。また、人の体に対して安全性が高く、医薬品などに利用されやすいことも重要です。
エチレン・プロピレンゴムは、文字通りエチレンとプロピレンによって構成されているゴムとなります。
エチレン・プロピレンゴムは屋外でも利用しやすい耐熱性・耐光性・耐オゾン性の強さが魅力であり、溶剤にも溶けにくいことが特性です。ただし耐油性が低く、産業機器などに使われるオイルやグリスへの耐性は低めです。
ゴムの部品加工を適正に行おうと思えば、様々なゴムの特性を把握した上で、適切な加工法や加工業者を選ばなければなりません。その点、加工部品調達会社は部品加工業者の選定から業務スケジュールの確認、納期管理など部品加工に必要な工程をワンストップサービスとして委託できることがポイントです。
加工部品調達会社によっては、小ロット対応や出荷前の全品検査などクライアントのニーズに合わせた業者との交渉も一任できるため、自社にとって信頼できる加工部品調達会社を探すようにしてください。
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